元日本留学生メールマガジン No.9 2009/12/16

帰国留学生会紹介 あなたの国で日本文化を 日本の最新情報 http://www.studyjapan.go.jp/

元国費留学生の皆さんへ

12月22日は冬至です。日本ではこの日にゆずを浮かべた風呂に入りかぼちゃを食べるという風習があります。八百屋やスーパーマーケットにはゆずとかぼちゃを店頭に並べているところも見られます。なぜ「ゆずとかぼちゃ?」。これには諸説ありますが、北半球では一年で最も日が短く寒さが厳しいこの季節、体を温め滋養のあるものを食することを勧める生活の知恵として大変理にかなっているのではないでしょうか。
冬至を過ぎるとクリスマス・イルミネーションに飾られていた街に、正月飾りを売る露店が立ち始め、街は一気に正月支度の気分をかもし出します。
12月は街も模様替えに忙しい季節です。

帰国留学生会紹介 - Reportage

あなたの国、そして世界には、日本での留学経験を持つ方々がたくさんいます。

その方々は、各国で、あるいは国を超えて、「帰国留学生会」をつくり、友好と連携を深めています。全世界で組織されている帰国留学生会はすでに90カ国・270団体以上に上っています。

帰国留学生会の活動に関心を持たれた方々は、是非、母国の「帰国留学生会」にコンタクトしてみてください。各国帰国留学生会の連絡先については、次のURLで確認できます。
http://www.studyjapan.go.jp/jp/ath/
ath0201j.html

なお、日本の在外公館では、帰国留学生会の立ち上げや活動の活性化を目的とした支援を行っています。詳細は各公館の留学生担当者にご相談ください。


2009年11月6日、第18回ASCOJA総会出席のため、ヤンゴンのチャトリアムホテルに到着した福田康夫前日本国首相、およびミャンマー日本友好協会会長ウ・キン・シュエ博士

第18回ASCOJA総会開会の挨拶を述べるMAJA会長アウン・キャウ博士
(2009年11月6日、ヤンゴン、チャトリアムホテル)

ミャンマー元日本留学生協会(MAJA)

ミャンマー元日本留学生協会(MAJA)は、2001年12月10日、ミャンマー連邦の国民の日に49名の会員により設立されました。設立時の会員の多くは、1943年〜1945年の第二次世界大戦中、日本に留学していた、この会の後援者の方々です。
MAJAの設立以前、何年もの間、公式の組織は結成されていませんでしたが、海外技術者研修協会(AOTS)の制度のもと、日本や近隣諸国に研修生を送るなど、元日本留学生たちは精力的に活動していました。2002年2月28日、ミャンマー連邦政府内務省により正式にMAJAが認可されました。
その後、会員数は822名を超え、その活動内容も広がっています。
2009年11月には、ミャンマーのヤンゴンにおいて、初めてASEAN元日本留学生評議会(ASCOJA)の総会を主催しました。

活動内容

  1. 年2回、日本留学試験(EJU)を実施しています。
  2. 毎年12月、日本大使館とともに、日本語能力試験を実施しています。
  3. 年1回、日本学生支援機構(JSASSO)との協同により、日本留学セミナーを開催しています。
  4. 年1回、ミャンマーの人々を対象とした日本文化紹介イベントを開催しています。
  5. 年1回、後援者のために、仏教の伝統に倣った表敬行事を開催しています。
  6. 年1回、日本大使館とともに、日本語スピーチコンテストおよび日本文学翻訳コンテスト(日本語からミャンマー語)を実施しています。
  7. 月1回、定例理事会を開き、また必要に応じて臨時理事会を開いています。
  8. 毎年、中学生(男女各3名)を面接で選考し、日本の豊田市にホームステイおよび研修旅行に派遣しています。
  9. 毎年、アスジャ・インターナショナル(Asia Japan Alumni)の奨学生を選考し、日本の大学院修士課程に留学させています。
  10. ミャンマー語、日本語、英語のニュースレター(季刊)を発行しています。

【 連絡先 】

住所:Myanmar Association of Japan Alumni (MAJA)
Pearl condominium, Room (707), Building (C), Kaba Aye Pagoda Road, Bahan Township, Yangon, Myanmar
電話:+95-1-534348、09 861 2151
Eメール:maja-ygn@goldenland.com.mm

あなたの国で日本文化を - Culture of Japan

「俳句」

「俳句」は五・七・五の音節からなる定型詩で世界最短の詩です。 この「HAIKU」の文字がつい先頃世界のニュースに登場しました。と言うのは初代EU大統領として指名されたベルギーのヘルマン・ファンロンパイ氏の趣味が、オランダ語で俳句を綴ることだと紹介されたからです。氏の公式サイトでは、定期的に俳句が披露されているということです。

近年、海外で俳句を楽しむ人々が増えてきています。 俳句を通じた国際交流を目的に設立された「国際俳句交流協会」によれば、この会の海外姉妹俳句協会は16を数え、約50か国、200万人以上の人々がそれぞれの母国語や英語で俳句を詠み楽しんでいるとのことです。

去る11月28日、この協会の20周年記念国際シンポジウムが開催されました。 冒頭、会長の有馬朗人氏(元東大総長・元文部大臣)が挨拶に立ち、俳句が世界的に認められてきている背景として、平和や持続可能な社会への関心の高まりが、自然を大切にし自然と共生していくという俳句の精神に合致したことを理由に挙げられました。

記念式典と併せて第11回の俳句大会の表彰式が行われました。大会には海外からも約300句が寄せられ、4句が特選を受賞し8句が入選しました。入選句はそれぞれセルビア、アメリカ、イギリス、クロアチア、ブルガリア、ニュージーランド、アメリカからの作品で、俳句が世界で詠まれていることが実感される場でもありました。

ここで、特選に選ばれた句の中から、2句をご紹介しましょう。

トミスラヴ・ヴイチッチ(セルビア)
Two invalids—————— 二人の傷病兵——————
me disables veteran不具の退役軍人である私と
and a deer.鹿
 
オルガ フーパー(アメリカ合衆国)
Late autumnガラス瓶に
moonlight preserved閉じ込めた
in a glass jar 晩秋の月明かり

引き続き行われたシンポジウムでは英国、ドイツ、クロアチアの姉妹俳句協会の代表者がパネリストとして参加し、各国での活発な活動の様子が紹介されました。また「あなたにとって『俳句』とは」あるいは「ほかの詩との違いをどうとらえるか」など様々な観点について意見が述べられ、「俳句」を通して日本人や日本文化の本質までもが浮き彫りになる興味深いディスカッションが展開されました。

国際俳句交流協会のサイトでは英語で俳句を作る楽しみを紹介しています。俳句を作ることを通じて、また日本文化との新たな出会いが開かれるかもしれません。 みなさんも一度トライしてみてはいかがでしょう。

尚、機関紙「HAIKU INTERNATIONAL」(隔月刊)には、会員の俳句が和英併記で掲載されています。この機関紙は、日本にある各国大使館や日本の在外公館(大使館など)に配布されていますので参考にされてください。

日本の最新情報 - Japan What's New

「エコとエドを繋ぐモッタイナイ」

2004年「持続可能な開発、民主主義と平和への貢献」によって、環境分野の活動家としては史上初のノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイ女史。女史によって日本語「もったいない」は3Rを一言で表現する言葉として広く世界に知られるようになりました。

今回は江戸時代の暮らしぶりを通して、「もったいない」の気持ちを自然に行動に表してきた日本人のライフスタイルをご紹介しましょう。

17世紀から19世紀初頭までの時代、江戸の町には約100万人の人々が生活していたといわれています。同時期の推定人口ロンドン86万人、北京95万人、上海5万人、パリ54万人、ニューヨーク6万人と比較しても江戸の町は随分と大きかったことがわかります。
その江戸の町には世界の他の都市にはない優れた「リサイクル」循環システムが様々ありました。
そのひとつは、し尿の処理です。放置すると悪臭や伝染病の発生源になる都市部のし尿を農村部へ運び肥料として活用したのです。しかも、し尿は資源としてとらえられており金銭や野菜と交換されていました。育った作物が都市で消費され、またし尿に変わるという経済と環境の両面からの好循環が出来上がっていたわけです。


提供:環境省

ちなみに、環境省では、江戸時代を代表する浮世絵師である葛飾北斎がナビゲーターをする「北斎風循環型社会之解説」という環境パンフレットを作成しています。こちらもご覧になってみて下さい。

さて、「リユース」の例もご紹介しましょう。
江戸時代まで、布はすべて手織でしたから生産力は低くこの時代には大変貴重なものでした。ですから布は徹底的に使いまわされたのです。
例えば大人の着物は、着古されると次に子供用に仕立て直されます。やがてまた着古されて布地が傷んでくると解かれた後、袋物などの小物に作り直されるのです。さらに使い古された後はオムツにも活用され、最後には雑巾になります。その上、これが燃やされた後の灰は田畑の肥料となってリサイクルされたと言うわけです。

修理業者と買取業者の存在もリユースに欠かせない存在です。

刃物などを研ぐ者、割れたりひびの入った陶器などの道具を修理する者、古い鍋や釜などに空いた穴を修理する者、液体を入れる容器として使われていた木製の桶や樽の箍を締めなおす者など。どれも材料と道具を持った職人が町を巡回していました。

破れた傘の骨を買い取って歩く業者や帳簿などの紙製品で不要になったものを買い取って古紙問屋に持っていく「古紙回収業者」などの買取業者も様々いました。
変わったところでは「紙くず拾い」。古紙回収業者」とは別に、買い取る資金を持っていない業者のことです。彼らは町中をせっせと歩き廻って落ちている紙を拾い古紙問屋へ持っていき買い取ってもらう。彼らはその稼ぎで最低限の生活ができたといいます。リユースがいかに進んでいたかを示すエピソードではないでしょうか。

「もったいない」に感銘を受けたマータイ女史は、その後この意思と概念を世界中に広めるために他の言語で該当する言葉を探したが、「もったいない」のように、自然や物に対する敬意や愛などの意思(リスペクト)が込められている言葉が見つからなかったと伝えられています。
地球規模でも環境問題の深刻化が叫ばれる今、古くから「もったいない」精神を持ち合わせてきた日本人の知恵は、これまでもそしてこれからも持続可能な社会の実現に大いに貢献してゆくこととでしょう。

Bulletin Board

このメールマガジンは、日本留学経験者の皆さんに、今後もさらに日本との絆を深めて頂くことを願ってお届けしています。今年度の配信は、7月、12月、3月です。

今回のメールマガジンへの感想は、次のアドレス宛にお送り下さい。

また、メールアドレスの変更についても連絡ください。メールアドレスは、webmaster@studyjapan.go.jpです。