元日本留学生メールマガジン No.7 2009/3/31

images/gr-header_1.jpg Study in Japan

元国費留学生の皆さんへ

元国費留学生の皆さんに、第7号のメールマガジンをお届けします。
日本通の皆さんに、さらに深く日本文化に触れ、ご理解頂こうと、今回は、日本の「包む」技術、そして、アカデミー賞2冠を達成した「日本映画」の系譜についてお伝えします。また、「明年から日本語能力試験が変わる」、という情報にもご注目ください。

帰国留学生会紹介 - Reportage

あなたの国、そして世界には、日本での留学経験を持つ方々がたくさんいます。

その方々は、各国で、あるいは国を超えて、「帰国留学生会」をつくり、友好と連携を深めています。全世界で組織されている帰国留学生会はすでに90カ国・270団体以上に上っています。

今回は、先般、日本で開かれた「帰国留学生会活動意見交換会」の様子をお伝えし、「帰国留学生会」の活動の一端を紹介します。

帰国留学生会の活動に関心を持たれた方々は、是非、母国の「帰国留学生会」にコンタクトしてみてください。各国帰国留学生会の連絡先については、次のURLで確認できます。
http://www.studyjapan.go.jp/jp/ath/
ath0201j.html

なお、日本の在外公館では、帰国留学生会の立ち上げや活動の活性化を目的とした支援を行っています。詳細は各公館の留学生担当者にご相談ください。


全インド日本語弁論大会


南アジア日本留学生同窓会

インド文部省留学生協会(MOSAI)

文部科学省奨学金を受けて高等教育や研究活動のために日本に滞在したことのあるインド人奨学生は、当初同窓会を組織しました。次第に同窓会の会員資格は「日本に滞在して高等教育や研究活動を経験したことのある全てのインド人」に拡大され、1986年にはデリー団体登録法(Societies Registration Act of Delhi)の下、任意の非営利団体としてインド文部省留学生協会(MOSAI)が登録されました。MOSAIは日印間の協力関係を推進することを目的としています。会員資格は、「継続的な学習または研究のために1年以上日本に滞在したことのある者」となっています。現在の会員(202名)は、社会科学、科学技術、言語学、および文学などの専門家や公的機関の職員として、大学、研究機関、産業界、政府において重要なポストに就いています。

MOSAIの年間活動:
高等教育カウンセリング部門を通して、インド人学生のために日本の大学・大学院教育に関するガイダンスを行っています。また、JASSO(日本学生支援機構)の協力を得て、日本留学試験(EJU)やニューデリー、プネにおける日本留学フェアを実施しています。

MOSAI日本語学院では、約400名の学生に日本語教育を行い、また日本語学習者の意欲を高めるために全インド日本語弁論大会を開催しています。この大会には、西インド大会(プネ)、東インド大会(コルカタ)、南インド大会(チェンナイ)、北インド大会(ニューデリー)の各優勝者が参加します。また、国際交流基金の日本語能力試験(JLPT)をMOSAIがインドに初めて導入しました。現在も、ニューデリーにおけるJLPTはMOSAIが実施しています。

MOSAIは日本の外務省が東京で開催している「南西アジア元日本留学者の集い」に参加しています。この集いがきっかけとなり、南西アジア元日本留学同窓会連盟(SAFJUAA)が結成されました。最近では2009年3月19、20日にニューデリーにおいてSAFJUAAの会議が開催され、活動計画として、元日本留学生の体験に関する地域的調査および各地域における日本語弁論大会の実施、が提案されました。

不定期の活動としては、野村総合研究所に対する「2010年代のインドとアジア:インドの視点から(India & Asia in 2010ユs: Perspectives from India)」をテーマにした報告書の作成、展示会や会議の開催などに取り組んでいます。
日本国政府、大使館、領事館、国際交流基金、日本学生支援機構(JASSO)、インド各地の日本人会などの協力、支援、そして励ましを得て、MOSAIはインドと日本の教育・学術交流を推進する指導的な非営利団体となっています。MOSAIの会長は日本の天皇陛下から褒章を授与されました。また、日本の外務大臣からもMOSAIは表彰していただきました。

あなたの国で日本文化を - Culture of Japan

風呂敷 — 日本の包む文化を体験しよう!—

あなたは日本の店などで買い物をしたとき、商品を包む包装のていねいさに驚かれたかもしれません。

日本人が物を包むのに使ってきたもののひとつが、「風呂敷」と呼ばれる四角い布です。風呂敷は様々な道具の役割をこなすことができます。
「包む」「結ぶ」「運ぶ」「まとめる」「おおう」「飾る」などなど。

特に「包む」ということに活躍します。
基本的にはどんな形状のものも包めるといっていいでしょう。四角い箱はもちろん、瓶のような円筒形のものや、サッカーボールのように丸いものまで、さまざまなものを包むことができます。 包み方のバリエーションは実に豊富です。
幾つかご紹介しましょう。

風呂敷の包み方

「飾る」側面も見逃せません。
風呂敷の柄は日本の伝統的な模様からモダンなデザインのものまで、さまざまなバリエーションがありますから、包んで運ぶというだけでなく装飾的要素を盛り込むことも出来ます。春には桜の柄を選んで季節感を表現したり、お祝い事の贈り物を包むのであれば慶事を表す伝統的な柄を選び風呂敷ごと贈るなどして、贈る相手への気遣いを表現することもできます。

あなたも風呂敷で、日本の包む文化を体験してみませんか?

日本の最新情報 - Japan What's New

日本映画 — 第81回アカデミー賞2冠受賞 —

2月22日、米国のロスアンゼルスで第81回アカデミー賞授賞式が行われました。この授賞式では、滝田洋二郎監督の『おくりびと』が邦画初となる外国語映画賞を受賞。また加藤久仁監督の『つみきのいえ』が、これも邦画で初となる短篇アニメ映画賞を獲得し、日本の2作品が受賞して話題になりました。

近年、国際的に評価される日本映画が少なくありません。大友克洋監督『AKIRA』、宮崎駿監督『千と千尋の神隠し』などのアニメーション作品は「ジャパニメーション」として幅広い人気を誇っていますし、北野武監督『HANA-BI』、中田秀夫監督『リング』などの実写作品も高い評価を得ています。

しかし、日本映画が高い評価を得るようになったのは、最近のことではありません。日本は以前から、国際的に認められる優れた映画を数多く生み出してきました。1952〜1954年には『雨月物語』などで溝口健二監督が3年連続してヴェネツィア国際映画祭で入賞。1983年には今村昌平監督が『楢山節考』でカンヌ映画祭グランプリを受賞。そのほか、小津安二郎、成瀬巳喜男など現在でもその作品が国際的に愛されている監督を輩出してきています。

なかでもひときわ光彩を放っているのが、黒澤明監督です。黒澤明が最初に国際的な評価を得たのは1951年、『羅生門』でヴェネチア国際映画金獅子賞の受賞です。1954年には、盗賊に襲われる村を7人の侍が守るという映画『七人の侍』で、再びヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を受賞しました。

これ以降も、誘拐犯と刑事が息詰まる攻防を繰り広げる『天国と地獄』、貧民を助ける町医者を描いたヒューマンドラマ『赤ひげ』、壮大なスケールの時代劇『影武者』など1998年に亡くなるまで多くの傑作を残しました。

黒澤明は世界中の多くの映画監督に様々な影響を与えたことでも知られています。黒澤ファンを自認する一人であるジョージ・ルーカスは、『スター・ウォーズ』のC-3POとR2-D2のコンビを黒澤明の『隠し砦の三悪人』から着想したと語っていますし、ジョン・スタージェス監督の『荒野の七人』は『七人の侍』の翻案です。フランシス・フォード・コッポラはジョージ・ルーカスとともに『影武者』の外国版プロデューサーを務めました。その他、フェデリコ・フェリーニ、スティーヴン・スピルバーグなど、黒澤明に敬愛の念を示している監督は少なくありません。

映画は、その国の文化を知る最良の方法ともいわれます。
優れた日本映画にぜひ触れてみてはいかがでしょうか。

オスカー像を手にする滝田監督と本木さん

「おくりびと」の英語版ポスター


※写真の無断転用を禁止

Information

2010年から「日本語能力試験」が変わります!


試験実施風景(インドネシア・ジャカルタ)

すでに、日本留学を終えた皆さんのほとんどが、「日本語能力試験」を受けた経験を 持たれていることでしょう。
日本語能力試験は、日本国内外の日本語学習者が、自分の日本語能力が、世界中の日本語学習者の中でどれぐらいのレベルにあるのかを客観的に判定し、認定することを目的に1984年に始められたテストです。 2008年12月には、日本と海外52の国・地域、173都市で試験が実施され、約56万人 以上の方が受験しました。日本語能力試験は、世界で最も広く認知されている日本語の認定試験です。2009年には、従来の12月に加え、日本国内、中国、台湾、韓国で7月にも1、2級の試験を実施します。 日本国外では、国際交流基金(台湾では財団法人交流協会)が、現地機関の協力を得て 試験を実施し、日本国内では、財団法人日本国際教育支援協会が実施しています。 この日本語能力試験が2010年から改定されることになりましたので、お知らせします。

改定の概要は、以下の通りです。さらに、詳細を知りたい方は、日本語能力試験公式サイト(URL:http://www.jlpt.jp/)にアクセスしてください。

皆さんもこの機会に、あらためて日本語学習に取り組み、新しい資格にチャンレジしてみませんか。

 新しい試験が目指すもの

新しい日本語能力試験では、課題遂行のための言語コミュニケーション能力を測定する試験をめざしています。また、これらの能力を支える基礎となる言語知識についても測定します。学習者の実際の言語活動を反映した試験をめざしています。

 4レベルから5レベルへ

これまで、3級に合格しても2級合格へなかなか手が届かないこと、1級より上のレベルの能力測定の希望があることなどについて、試験改善の要望が寄せられていました。また、日本語教育の進展や社会状況の変化により、現在では試験開始当初とは異なった多様な受験者層が見受けられるようになっています。このような受験者の日本語能力の多様性に対応できるよう、現行試験の4レベルから5レベルに、レベル調整を行うことになりました。

現在の試験は1級—2級—3級—4級の4つですが、改定後は、N1−N2−N3−N4−N5の5つになります。「N」は、「NIHONGO(日本語)」と「NEW(新)」等からとられています。

 N1:今の試験の1級とほぼ同じレベルですが、もう少し高い範囲まで測定できるように改定されます。
 N2:現在実施されている試験の2級とほぼ同じレベル
 N3:現在実施されている試験の2級と3級の間のレベル
 N4: 現在実施されている試験の3級とほぼ同じレベル
 N5: 現在実施されている試験の4級とほぼ同じレベル

 科目は、「よむ試験」と「きく試験」

「よむ試験」… 現在の試験の「文字・語彙」「文法・読解」に該当します。
「きく試験」… 現在の試験の「聴解」に該当します。

編集後記 - From Editor

日本では、卒業式が終り、皆さんの後輩である留学生たちも、進学、日本企業への就職、そして帰国、といった様々な道へと踏み出していきました。桜の季節、日本で迎えた卒業式は、皆さんたちと同様、彼らにとっても大切な人生の節目の思い出となっていくことと思います。

このメールマガジンは、留学生の皆さんが、母国に帰っても日本との絆をしっかりと保ち、将来、母国と日本とをつなぐ懸け橋となって下さることを願ってお送りしています。
今回の記事の感想、あるいは、今後取り上げて欲しいテーマなどがありましたら、ご意見をお寄せください。皆さんの声を生かし、今後さらに紙面を充実させてまいりたいと思います。