元日本留学生メールマガジン No.6 2008/12/26

images/gr-header_1.jpg Study in Japan

元国費留学生の皆さんへ

2008年ももう少しで終わろうとしています。いかが、お過ごしですか。
今年は日本生まれの4人の学者がノーベル賞を受賞するという嬉しいニュース飛び込んできた年でした。日本で学び、世界で活躍されている皆さんにとっても励みになる出来事だったのではないでしょうか。今回のメールマガジンでは、このノーベル賞や日本の年始に欠かせない年賀状の話題、そして、先般、日本で行われた帰国留学生会活動意見交換会の様子などをお伝えします。

帰国留学生会紹介 - Reportage

あなたの国、そして世界には、日本での留学経験を持つ方々がたくさんいます。

その方々は、各国で、あるいは国を超えて、「帰国留学生会」をつくり、友好と連携を深めています。全世界で組織されている帰国留学生会はすでに90カ国・270団体以上に上っています。

今回は、先般、日本で開かれた「帰国留学生会活動意見交換会」の様子をお伝えし、「帰国留学生会」の活動の一端を紹介します。

帰国留学生会の活動に関心を持たれた方々は、是非、母国の「帰国留学生会」にコンタクトしてみてください。各国帰国留学生会の連絡先については、次のURLで確認できます。
http://www.studyjapan.go.jp/jp/ath/
ath0201j.html

なお、日本の在外公館では、帰国留学生会の立ち上げや活動の活性化を目的とした支援を行っています。詳細は各公館の留学生担当者にご相談ください。

帰国留学生会活動意見交換会

去る11月17日、東京都内のホテルにて「帰国留学生会活動意見交換会」が開催されました。参加したのは南西アジア・中東・中央アジアの国々及びモンゴルの15カ国26名。外務省が主催する「平成20年度元日本留学者の集い」で日本に招へいされた元日本留学生の方々です。この「集い」は、元日本留学生相互の親睦を深め、帰国留学生会の活動の活性化を図ること、元日本留学生の皆さんに現在の日本社会や文化に直接触れる機会を提供すること、日本の関係者との親睦を深めてもらうことを目的に1週間の日程で実施されたものです。参加者は、参加者相互の意見交換会を行うとともに、外務省講演会への参加、最先端研究施設の視察、大学の恩師などの訪問などを行いました。

帰国留学生会活動意見交換会では、日本理解促進や母国と日本との交流促進を目的とした各種イベントの開催や出版活動など、各国帰国留学生会の多岐にわたる活動が紹介されました。1974年から30年以上にわたり活動を続けている帰国留学生会から、まだ歴史の浅い帰国留学生会まで、様々な帰国留学生会の工夫を凝らした活動はお互いにとって刺激にも励みにもなりました。報告後には、質疑応答が行われ、共通に抱える運営上の課題などに関する意見が活発に交わされました。

まだ帰国留学生会のないアゼルバイジャンからの参加者は、「各国の活動報告を聞いてとても参考になった」と言って、今後の帰国留学生会の設立に強い意欲を持たれていました。

外務省主催歓迎レセプションでは、招聘者一行の総団長を務めるインドのアショクチャウラ氏が挨拶の中で、今回の意見交換会の結果を報告しました。

その中で、同氏は、各国帰国留学生会が、お互いの活動や情報を共有していくこと、公官庁や民間の組織とも連携を図り、会の活動をより組織化していくこと、また、元留学生が、専門分野ごとのセミナーを開催するなど、個人レベルでの活動を充実させていくことなど、意見交換会で協議された内容を伝え、さらに、各国帰国留学生会をつなぐホームページの開設と運用など今後に向けての具体的な提案を行いました。

会場の約200名の留学関係者の方々からは、母国での日本理解促進のために心を尽くし、母国と日本との懸け橋になろうとしている各国帰国留学生会の方々に、大きな拍手を送りました。

今回の意見交換会を通じ、各国帰国留学生会間の絆はさらに強く結ばれました。そして、今後、この連携を通じた体験や情報の共有により各国帰国留学生会の活動はより充実し、発展していくことが期待されます。

あなたの国で日本文化を - Culture of Japan

和風の新年の迎え方年賀状を送ろう

あなたは今年、クリスマスカードを何通送りましたか。日本留学を経験したあなたならご存じかと思いますが、日本ではクリスマスよりも一年の区切りであるお正月を重視する習わしがあるため、 "クリスマスカードより"年賀状"のやりとりがメインになります。

年賀状とは、新年を祝う言葉を書いたはがきのこと。この年賀状をやりとりする習慣は、日本では7世紀後半から続いているそうです。最初、身分の高い人々の間で始まり、江戸時代(1603~1867)になって庶民に広まりました。長い歴史のあるものですが、最近は年のはじめのあいさつをパソコンや携帯電話のメールですませる人が多くなり、年賀状を出す人がだんだん減る傾向にありました。

しかし、2008年のお正月に配達された年賀状は前の年より増え、少し復活してきたとのことです。やはり、カタチのある年賀状は手元に残りますし、メールに比べて心のぬくもりが伝わってくる感じがあります。そういう点が見直されたのかもしれません。

さて、今年はあなたも年賀状を送ってみませんか。 "毎年届くクリスマスカードが来ないなぁと思っていたら、和風の年賀状が届いた"というのも、ちょっとしたサプライズになりそうです。

あなたの日本留学経験を生かして、和風の雰囲気にあふれたものにするなら、お正月を祝う言葉を漢字で書いてみるのも素敵です。漢字を形よく書くのは難しいかもしれませんが、比較的チャレンジしやすいものとしては「迎春」の文字などがおすすめです。

ビジュアル要素としては、日の出、松・竹・梅、ツル、カメなど、めでたさを象徴するものや、干支(the signs of the zodiac in Chinese astrology)が一般的です。ちなみに2009年はウシの絵の年賀状を使う人が多いでしょう。最近では、自分や家族を撮った写真をパソコンで取り込んで、レイアウトする人も多いようです。

眺めて楽しく、読んで幸せな気分になる――。2009年の新春に向け、そんな個性的な年賀状をあなたもぜひ送ってみてはいかがですか。

日本の最新情報 - Japan What's New

2008年、日本関連の4人がノーベル賞を受賞

先頃、スウェーデン・ストックホルムのコンサートホールでノーベル賞の授賞式が行われました。その様子を新聞やテレビ、インターネットのニュースでご覧になった方も多いでしょう。

ひときわ注目を集めたのは、日本関連の4人が受賞したことです。まず、ノーベル物理学賞を、南部陽一郎(なんぶ・よういちろう)シカゴ大学名誉教授、小林誠(こばやし・まこと)高エネルギー加速器研究機構名誉教授、益川敏英(ますかわ・としひで)京都産業大学教授の三氏が受賞。日本生まれの学者が物理学賞を独占したことになります。そして、ノーベル化学賞を下村脩氏(しもむら・おさむ)ボストン大学名誉教授が受賞しました。

それぞれの受賞理由は、南部名誉教授が「素粒子物理学と核物理学における自発的対称性の破れの発見」、小林名誉教授及び益川教授が「クォークが少なくとも3世代以上存在するということを予言する対称性の破れの起源の発見」、下村名誉教授が「緑色蛍光タンパク質GFPの発見と開発」です。

日本人のノーベル賞受賞者は、今回の受賞で15人(※1)となり、アジアでは群を抜いて一位です。ジャンル別の内訳では、物理学賞が6人、化学賞が5人、文学賞が2人、生理学医学賞と平和賞が1人ずつとなっています。物理学、化学のジャンルでの受賞が突出しています。

南部名誉教授は、東京帝国大学(現・東京大学)理学部を卒業して1942年に同学部の助手になりましたが、同年、湯川秀樹氏が、同学部の教授に就任しています。湯川氏は7年後の1949年にノーベル物理学賞を受賞しています。また、1952年に南部氏が、プリンストン高等研究所に赴任したときには、朝永振一郎氏(1965年ノーベル物理学賞)の推薦を受けています。さらに、今回、同時に受賞した小林・益川両氏の研究は、この南部名誉教授の研究が基盤になっています。そこには、ノーベル賞受賞者たちの系譜が見えるようです。

科学の分野でのさらなる発展をめざして、内閣府では科学技術基本計画を策定し、基礎研究および重点分野の研究開発を推進しています。日本はすでに、IT、環境、省エネルギー、医療などの分野では世界最高水準の技術をいくつも持っており、身近で使われているものや、実用化目前のものがたくさんあります。また、大学の競争力の強化にも力を入れています。世界をリードする研究拠点の構築を推進しているこの日本へ、さらに多くの海外の学生の皆さんが来て、研究に打ち込むことを私たちは期待しています。

※1970年にアメリカ国籍を取得した南部陽一郎名誉教授を含めると16人となりますが、「ノーベル賞の各国別受賞者数は受賞時の国籍でカウントする。」という原則があるため、『科学技術要覧』(発行:文部科学省科学技術・学術政策局調査調整課)では同氏はアメリカの受賞者数に含め、日本のノーベル賞受賞者数は15人としています。

南部陽一郎氏[なんぶ・よういちろう]
1921年生まれ。東京帝国大学理学部物理学科卒。シカゴ大学名誉教授、大阪市立大学名誉教授。

小林誠氏[こばやし・まこと]
1944年生まれ。名古屋大大学院博士課程修了。高エネルギー加速器研究機構名誉教授。

益川敏英氏[ますかわ・としひで]
1940年生まれ。名古屋大大学院博士課程修了。京都大学名誉教授、京都産業大学理学部教授。

下村脩氏[しもむら・おさむ]
1928年生まれ。長崎医科大学付属薬学専門部(現長崎大学薬学部)卒。名古屋大学大学院理学研究科修了。プリンストン大学研究員(フルブライト留学)。ボストン大学名誉教授。

編集後記 - From Editor

帰国留学生会活動意見交換会の中で、今後、ホームページなどを活用して、日本と母国、そして、各国の帰国留学生会同士の絆を深めたいという提案が出されていました。このメールマガジン、そして、留学生ホームページStudy in Japan Comprehensive Guide もその一翼を担い、皆さんのお役に立てることを願っています。取り上げて欲しい内容、感想などがありましたら、ご意見をお寄せください。また、メールアドレスの変更についても連絡ください。メールアドレスは、webmaster@studyjapan.go.jpです。