日本留学生メールマガジン No.6 2010年3月

留学生の皆さんへ

四季の移り変わりを楽しむ日本人がとりわけ楽しみにしていること、そう「桜」の開花です。今年もその季節がやってきました。
日本には法によって定められた国花はありませんが、桜は菊と並んで日本人に最も愛されている花とされています。ですから古来より、桜は日本特有の詩である和歌や俳句に多く詠われてきています。J-POPにも、タイトルに「桜」の付く楽曲は比較的良く知られているものだけでも30曲以上あります。歌詞に桜を扱っている曲を合わせれば数え切れないほどになるでしょう。
皆さんも桜の花を観賞することは言うまでもなく、文学を味わったりそしてまた歌を楽しんだり、様々にそして十分に日本の春と桜を堪能してください。

日本いろいろ 日本の地域紹介 - Regions

遷都1300年の奈良

古来、都があった地として京都はよく知られていますが、奈良は京都の都「平安京」に先立つこと80有余年前の西暦710年に都が置かれた地です。
それから1300年目に当たる今年は「平城遷都1300年祭」として1月1日から12月31日まで一年間にわたって様々なイベントが開催されます。

・平城遷都1300年祭 リーフレット:http://www.1300.jp/about/what/public/documents/leaf.pdf

特に平城京のシンボルである大きな門「大極殿」がその当時のままに復元され、ここが「遷都1300年祭」のメイン会場になります。この完成披露の4月24日からは実に盛り沢山のイベントが開催されます。 そのいくつかをご紹介しましょう。 5月3日と5月9日には「天平行列」が行われます。奈良市民らが平城京時代の衣装を身にまとい行列するものです。髪型も当時のスタイルに結い上げて歩く姿に日本古来の趣を楽しむことができるのではないでしょうか。 更に、8月になると「平城宮光の回廊」と銘打った夜のパレードがはじまります。光や音そして影が幻想的な空間を表現します。夏の夜に「平城京」が幻想的に浮かび上がる趣向です。


 

見て楽しんだ後は「体験」です。当時の食べものを味わったり、天平行列と同じ衣装を着られるなど様々な体験イベントが用意されています。
多彩なアーティストたちによるコンサートも開催される予定です。

留学生の方々はパスポートの提示で平城宮跡会場内の有料施設・体験など、全て無料になります。
催し物については順次詳細が公表されますので公式ホームページを確認してください。

また、「奈良」は県内に3つの世界遺産がある唯一の県です。


・社団法人日本ユネスコ協会連盟 http://www.unesco.jp/contents/isan/jlist.html#c7

今回メイン会場となる「平城京跡」は「古都奈良の文化財」として他の6つの神社仏閣やこれらの背景にそびえる春日山の原始林と共に1995年に登録されている世界遺産です。
この他、現存する世界最古の木造建築である法隆寺を初めとした「仏教建造物」もまた世界遺産です。「平城遷都1300年祭」の期間中は、これらを初めとした52社寺の国宝や重要文化財が年間を通じて公開される予定です。まさに社寺の魅力に触れ、奈良の奥深さを体感できるまたとない機会と言えます。

更に、奈良県には隣接する三重県と和歌山県と共に複数の霊場がありこれをつなぐ参詣道もまた世界遺産に登録されています。
「平城京遷都1300年祭」を楽しみつつ世界遺産も巡る旅に出かけてはいかがですか。

日本を体験しよう! 留学生交流イベント紹介 - Event report

留学生交流総合推進会議

去る2月8日、東京で「留学生交流総合推進会議」が開催されました。
こうした会合は、これまで地方自治体レベルでは行われてきましたが全国規模で行われるのは初めてのことです。
留学生を含む、有識者、企業、学校、留学生支援団体などの留学に関わる関係者約500名が参加し、留学に関わる協議や情報交換が行われました。

プログラムは2部構成です。第1部は「『留学生30万人計画』の目指すところ」と題された基調講演に始まり、留学生交流に携わる団体における活動などの事例紹介と続き、その後ニュージーランドからの留学生が「留学生の目から見た日本」と題して、日本留学に関する率直な意見を語りました。

第2部は以下の5つのテーマ別分科会に分かれ、講演と活発な協議が行われました。

1. 留学生に対する日本語教育
2. 留学生に対する就職支援
3. 留学生の入学選抜
4. 留学生と地域の関わり
5. 学内における留学生支援とフォローアップ

ここでは「留学生に対する就職支援」と「留学生と地域との関わり」の分科会の議論についてご紹介しましょう。

就職支援に関する分科会では、「留学生に対する就職支援」と題し、留学生支援を行っているNPO「留学生職業能力開発センター」の取り組みの紹介と共に、参加者による協議が行われました。 就職支援の一環として、英語での学習の機会を増やすことと併せて、日本語でのコミュニケーション能力や日本文化などを身につけられるよう、受け入れ側、留学生側共に取り組んでいく必要があるのではないか。また就職活動にあたっての金銭面でのサポートの必要性、就職に関する情報不足の課題などについて、活発な意見交換が行われました。

「留学生と地域との関わり」の分科会では、静岡県における取り組みが紹介され、続く協議では地方自治体、大学、高等専門学校、専修学校、日本語学校、国際交流関係団体などの担当者によって留学生受入に関する様々な課題や成功事例などが紹介されました。さらに、留学受入から就職までの情報をワンストップで提供する情報窓口を設けるなど、学校、自治体、留学関連団体、産業界が連携して留学生を支援していくことの必要性など、具体的な方策に関する意見交換が行われました。

この模様は日本学生支援機構のホームページに紹介されています。各分科会で皆さんの関心のある議論が展開されましたので是非ご参照ください。


国費留学生インタビュー - Interview


ディン・シー・ジェンさん(ベトナム出身)
早稲田大学大学院・商学部

ジェンさんはハノイの大学3年生在学中の2003年に、日本の文部科学省の日本語学習プログラムで1年間長崎大学に留学しました。帰国後大学を卒業した後、母校で3年間教鞭をとっていたとのこと。今回は昨年4月に来日し、今年の4月からいよいよ早稲田大学大学院で学ぶことになっています。
大学で日本語を学ぶ選択をしたことが現在の留学に繋がっているのですが、この選択の背景にどんな想いがあったのでしょう。
小さい頃に日本のテレビドラマ「おしん」を良く見ていたという彼は、その中に日本人特有の意識や国民性を感じたと語ります。また中学や高校で歴史を学ぶ中で、日本が戦争を体験しながらも世界第二位の経済大国にまでなったということに、同じように戦争体験を持つ国民として共感することが多くあったということです。
また、テレビニュースで報道されていた日本政府のODAプロジェクトの印象も深く、日本の美しい自然や着物などの伝統文化にとても惹かれるものがあったことがベースにあったようです。
日本留学を決めた理由はと言う質問に対して「ベトナムも日本も同じアジアの国だから文化的共通性も多くカルチャーショックが少ないと考えました」と語る彼の言葉にジェンさんの想いが集約されているようです。
二度目の来日で、東京での実際の生活が始まって以降の感想を聞いてみました。
初来日先の長崎と今回の東京。二都市の印象は随分異なっているようですが、どちらも「生活が安全で食生活の面でも無理がない。アメリカやイギリスに行った友人は食生活で不自由を感じているが日本ではそのようなことがないので良かったです」と。

では将来の計画は?という質問に、「修士が終わったら博士課程に進みその後は母国に帰って大学で貿易実務を教えたい」と語ってくれました。


趙 宇(ザオ ユ)さん(中国出身)
東京大学大学院 工学部研究科社会基盤専攻

2007年10月から東京大学で防災に関することを学んでいます。地震が発生した地域に実際に行って被害状況を調査したりもしているとのことです。
趙宇さんは中国で学んでいた大学の教授の勧めで日本留学を決めました。その教授自身が日本留学の経験があり、日本留学の意義を語ってくれたことが決定の理由だとのことです。
教授の勧めに加え、趙宇さん自身も「日本人は親切で丁寧、生活環境も衛生的で便利だと思っていました。」と日本留学を決定した理由を語っています。
幼い頃から「ドラえもん」、「北斗の拳」そして「キャプテン翼」など日本の漫画に親しんでいて、日本への親近感があったことも彼の背中を押していたのかもしれません。
日本留学が2年と3ヶ月余り経過した現在の感想を聞きました。「生活は安心で安全で満足しています。」と語る趙宇さんは、これまでに北海道、東北、新潟、京都など国内各地も訪れて日本に対する理解を深めているようです。
この留学期間が終了する2010年の9月以降の計画は?という質問に彼は、「最近研究室で『地震の日本史』という書物に出会い、日本が経験した過去の様々な地震についての研究を読み、益々研究に対する関心が高まってきた。現在の留学プログラムが終了した後も日本で研究者として研究を続けたい。」と語っています。
「地震大国」だからこそ防災に関わる技術を開発してきた日本。そしてこの分野の技術移転などにより様々な国際貢献をしてきた日本には、趙宇さんの研究心を大いに触発するテーマが沢山あるようです。

Bulletin board

本号を以て日本留学総合ガイドメールマガジンは配信を終了します。これまでご愛読いただき、ありがとうございました。

今後は、日本学生支援機構(JASSO)の配信する「Japan Alumni eNews(日本留学ネットワークメールマガジン)」にて日本最新情報や日本留学情報を御参照下さい。
「日本留学ネットワークマガジン」は、日本に関する最新情報や日本留学体験談、就職情報などを月一回のペースでお知らせするものです。

「日本留学ネットワークマガジン」の購読を希望されない方はその旨を4月30日までに、次のメールアドレス宛にお知らせ下さい。お知らせのなかった方には今後自動的にJASSOより「日本留学ネットワークマガジン」が配信されますので、ご了解下さい(無料)。

購読を希望されない方の連絡用アドレス:current@studyjapan.go.jp

日本いろいろ 日本の地域紹介 日本を体験しよう! 留学生交流イベント紹介 国費留学生インタビュー Bulletin board Study in Japan Comprehensive Guide