日本留学生メールマガジン No.5 2009/10/30

留学生の皆さんへ

今年4月あるいは10月に来日された皆さん、いかがお過ごしですか?
暑い夏も終わり、過ごしやすい季節「秋」になりました。比較的天候の安定している秋には様々な行事があります。小中学校の遠足や運動会、また神社でお祭などが行われるのもこの季節です。もう一つ、美しい紅葉を求めて山や野へ行楽に行く「紅葉狩り」も忘れてはならない季節行事です。
「芸術の秋」「読書の秋」「行楽の秋」そして「食欲の秋」。
日本語では「秋」をこんな風に様々に表現します。あなたはどんな「秋」を味わいますか?

日本いろいろ 日本の地域紹介 - Regions

博物館めぐり

日本の伝統や文化を理解する近道…。それは博物館や美術館を訪ねることです。
芸術の秋。博物館や美術館を訪ねてみては如何でしょう。

東京国立博物館 http://www.tnm.jp/

本館(日本ギャラリー)

国立博物館(東京・京都・奈良・九州)には、毎年「留学生の日」が設けられており、日本で学ぶ外国人留学生は平常展を無料で見られます。今年の「留学生の日」の日程は、後部(※印)に記載のとおりで、奈良と九州はまだこれからです。是非このチャンスを利用してみてください。

上野(東京)にある、日本を代表する博物館の一つ「東京国立博物館」。本館2階では日本美術一万二千年の流れを縄文時代の土偶から江戸時代の歌舞伎・浮世絵へとたどりながら、時を超えて伝えられてきた文化遺産の迫力を実感することができます。



表慶館(アジアギャラリー)

この博物館の分館である表慶館アジアギャラリーでは、中国を初めインド・ガンダーラ、ペルシャ、タイ、朝鮮など東洋諸国から将来されたアジアの至宝が展示されており、日本美術が広大な文化交流の賜物であることが実感されるとともに日本文化の形成をアジア史の視点から見ることも可能です。



国立歴史民俗博物館
http://www.rekihaku.ac.jp/

千葉県佐倉市の「国立歴史民俗博物館」では、精巧な復元模型やレプリカを駆使して、各時代の生活史をクローズアップしながら、悠久の歴史をダイナミックに再現した展示が魅力的です。縄文時代の大規模な集落跡、大航海時代の巨大な御朱印船の復元の展示などを通じ、歴史との対話が楽しめます。


日本列島に展開された美術史・生活史・文化交流史が、長い時の流れの中でブレンドされ、洗練された形で花開いたのが江戸文化です。その粋に出会えるのが東京・墨田区にある「江戸東京博物館」。巨大な吹き抜け空間に再現された、お江戸日本橋を渡りながら歌舞伎・浮世絵の江戸時代にタイムスリップです。



国立西洋美術館
http://www.nmwa.go.jp/

ルノワール、モネ、など印象派絵画を初め、ルネサンスから20世紀にわたる西洋美術の巨匠たちの名品が一堂に集められているのが東京・上野の「国立西洋美術館」です。




↑京都国際マンガミュージアム
http://www.kyotomm.jp/

←三鷹の森ジブリ美術館
http://www.ghibli-museum.jp/
注:入場は予約制、チケットは事前の購入が必要です。

今、国際的にも評価の高いマンガ・アニメには、中世の「鳥獣戯画」や「百鬼夜行」の絵巻物の世界が息づいていると指摘する美術史家もいます。そうした意味から「三鷹の森ジブリ美術館」や「京都国際マンガミュージアム」を訪ねることも日本文化の伝統について新しい視点から理解を深める良い機会と言えましょう。


※「留学生の日」
東京国立博物館 10/3(土): http://www.tnm.jp/
京都国立博物館 10/25(日): http://www.kyohaku.go.jp/jp/index_top.html
奈良国立博物館 11/2(月): http://www.narahaku.go.jp/
九州国立博物館 11/3(火): http://www.kyuhaku.jp/

日本を体験しよう! 留学生交流イベント紹介 - Event report

外国人による日本語弁論大会

外国人が日本で暮らす中で感じた素朴な疑問や日本の魅力を、日本語を使って発表する場。それが外国人による日本語弁論大会です。スタートしたのは、1960年。

50回目の今年は、開港150年を迎えた北海道函館市で開催され、27の国と地域から130名が応募、その中から12名が選ばれ、それぞれの「私の見た日本」をユーモアを交えながら披露しました。
出場者の出身は、モンゴル・中国・スリランカ・韓国・インドネシア・ロシア・ベトナム・キルギス・ネパール・ウガンダからで、留学生8人のほか、中国語講師・老人ホーム介護士・主婦・大学講師という顔触れです。

入賞者3人の発表を要約してご紹介しましょう。


ドミニク バゲンダ カスッジャ さんと
シャポヴァーロヴァ スヴェトラーナさん

外務大臣賞受賞のドミニク バゲンダ カスッジャ さんは、ウガンダ出身。「北の国で学んだ3つのこと」と題しての発表でした。「私は『戦後』という言葉が好きです。世界の各地には(戦争がなくならないため)『戦後』のない国がたくさんあります」と語りはじめ、函館の冬で経験した雪かきの苦労と失敗のエピソードを織り込みながら、「さまざまな難問は堅い氷になる前に片付けよう、そうすればアフリカにも必ず『戦後』という平和な春が来る」と結びました。

文部科学大臣奨励賞受賞のロシア人主婦シャポヴァーロヴァ スヴェトラーナさんは「調べてガッテン日本語のはい」と題して、日本人の「はい」にこめられている様々な意味を発見し、納得したことを、車のカーナビにたとえて紹介しました。発見につながった夫とのコミュニケーションの行き違い体験のエピソードもユーモラスでした。


カン リンさん

主催団体特別賞の中国出身の大学留学生カン リンさんは、「日本人と友達になるには」と題し、友達づくりに悪戦苦闘した話をスピーチしました。中国の父親に悩みを打ち明けると、「何事もあきらめないことだ。私もお前のお母さんを諦めなかった、だからお前がいるんじゃないか」と励まされ、友達づくりの道が開けたという話です。

「外国人による日本語弁論大会」の運営は、(財)国際教育振興会国際交流基金・開催都市との共催で行われ、コンテストの模様は、毎回、NHKの教育テレビで全国放送されています。

ちなみに、来年の大会(第51回)は、6月5日(土)新潟県新潟市 りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館において午後1時より開催。実施要領等も12月上旬頃には公表される予定です。 留学生の皆さん、一度、挑戦してみてはいかがでしょうか。


国費留学生インタビュー - Interview

今回は、オーストラリアから日本に留学し、日本で就職しているドゥーグル リンズィーさん(38歳)にお話を伺いました。

リンズィーさんは、慶応大学に交換留学生として学び、その後東京大学大学院修士・博士課程を終了しました。在学中から、海洋研究開発機構(JAMSTEC)に勤務を始め、現在は海洋生態・環境研究プログラムの技術研究主任として深海生物の調査研究に活躍されています。また、俳句への造詣も深く、句集を発刊されるほどです。


interview

ドゥーグル リンズィーさん

●日本に留学したきっかけは?

私の高校に交換留学で来ていた日本の高校生と親しくなり、彼を通じて日本への興味を深めたことです。もともと私は中学時代に日本の忍者、アニメや貿易関係などに興味を持ち、選択科目として日本語の授業を選び、少し勉強していたのですが、大学でも趣味程度に勉強を進めました。

そして、学部時代に、慶応大学との交換留学制度を活用し、まず慶応で1年間日本語を学び、いったん帰国しましたが、海洋生物の研究環境が整った日本の大学で学びたいという気持ちが募ってきました。そこで、東大のプランクトン学担当教授に手紙を書き、母校の指導教官の推薦状を得て、大学院修士コースに入学しました。

●今の職場に入った経緯は?

修士コースを終えて、帰国しようか、博士課程に進もうか迷った末に博士課程に進みました。その3年目に、海洋研究開発機構(JAMSTEC)から特別研究員のオファーがありましたので就職し、博士課程と二足のわらじを履いて以来、今日に至っています。今年で日本滞在が19年目に入りました。日本人の妻と3人の子供にも恵まれ、最近「このまま日本に骨を埋めようか」と思い始めています。


リンズィーさんの出版した
俳句の本

●俳句との出会いは?

オーストラリアでは、小学校の授業の中で俳句の初歩的な内容を勉強しましたので、一通りは知っていました。

不思議なご縁だったのは、慶応への留学のホームステイ先が、俳人の須川洋子先生の自宅だったのです。須川先生から手ほどきをうけ、一緒に俳句を作っているうちに、俳句に強い興味を覚えるようになりました。自然と自分の関わり合いを見つけ、それを凝縮された言葉で表現するところに、私は俳句の大きな魅力を感じています。
また、俳句を通じて、日本語や日本人の深い精神性の理解も深まりました。

●留学先としての日本の良さは何ですか?後輩たちへのアドバイスと共に教えてください。

日本では世界のトップクラスの研究が出来ます。大学では、多くの交流企画が整備されているので、各国の留学生や日本人学生の友人を作るチャンスも多くあります。奨学金が取りやすいことも大きな利点です。なにより人々の心は優しく、親切で、生活も便利で住みやすい環境です。アルバイトの環境も整っています。
私の体験を紹介すると、職場では若い時から責任ある仕事を任され、自分の考えを実現できる環境が準備されていました。
もう一つ、私にとっては『俳句』との出会いでしたが、様々な優れた伝統文化に触れられることも大きな魅力です。留学中にこうした機会に触れてみることをお勧めします。

Bulletin board

このメールマガジンは、皆さんにより充実した留学生活を送って頂くことを願って、お届けしています。今年度は、10月と3月の2回配信する予定です。

今回のメールマガジンへの感想は、次のアドレス宛にお送り下さい。webmaster@studyjapan.go.jp

また、留学生ホームページ(Study in Japan Comprehensive Guide: http://www.studyjapan.go.jp/)でも、留学中の皆さんに役立つ情報を随時提供していますので、是非ご覧下さい。

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