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第11回:ペン・ミニア

カンボジア、カンポンチャン州出身

2006年4月来日。JASSOで1年間日本語を学び、2007年に東京工業高等専門学校電気工学科3年生に編入。
ペンさんは今年3月に卒業予定で4月からは電気通信大学に進むことが決まっています。

幼いときからエンジニアになりたいと考えていたペンさんは、高校卒業と共にさらに高い教育を受けるために留学したいと思い、奨学金の申請を考えました。
その当時、留学したかった国の中で「高校卒業」で奨学金の申請ができるのは日本政府のプログラムだけだったとのこと。そうした事情はあったものの、エンジニアを目指すペンさんが日本留学を決めた背景には日本の技術力は高いという実感がありました。「日本製のオートバイを持っていましたが、ほかの国のものに比べるとずっと質が良いということをよく知っていました。」
また、1996年に理系で日本に留学をした先輩がカンボジアで大変高い評価を得ていることも影響しているようです。

もちろん「日本留学」に不安はありました。言葉の問題です。「英語やフランス語ならアルファベットだけれど日本語は漢字もあれば、カタカナやひらがなもあります。こんなに複数の文字の混ざった言語をマスターするのは大変です。でも人がやっているんだから自分も頑張ればできると思って決めました。」とペンさんは語ります。

最初は大学留学を希望していたペンさんです。しかし、文系大学には1年間に5.6人の合格者があるものの、理系大学には10年間でわずか3.4人の合格者しかいないという狭き門の実態を知って、合格のチャンスがより大きい「高専コース」を選択しました。試験に向けて勉強に励んでいるペンさんに対して、合格者が少ないことを知っていたご両親は無理に励ましたりせず静かに見守っていてくれたと言います。ですから合格した時には「本当にみんなが喜んでみんながほめてくれた。」といっぱいの笑顔で話してくれました。3人兄弟の真ん中で育ち15歳から故郷を離れプノンペンでひとり高校に通い勉学に励んでいたペンさんの頑張りが花を咲かせた時でした。

高等専門学校を選択したことについて今振り返ってどう思いますか?という質問に、「卒業が1年遅れますが勉強期間が長くて良かったと思っています。ゆっくりじっくり勉強できましたから。それにカンボジアでは本で見るしかなかった高価な実験装置を実際に扱うことができたことも嬉しかったことです。」高専は大学と異なり実践的な技術習得ができるよう実験や実習が多いカリキュラムになっていることは、ペンさんにとって高専を選択してよかったと思える大きなポイントのようです。最終の5年次には1年かけて実験を中心に卒業研究をします。ペンさんは今その卒業研究の最後(卒業論文を提出しました)です。大学の教科書は中には英語で書かれたものもありますが、高専の教科書はすべて日本語という厳しい状況もあります。「人生は困難を越えなきゃならないものだと思っています。」と語る彼は日本語の困難さもクリヤーして卒業を迎えます。

最後に留学先に日本を選択したことについて今どう思いますか?という質問に「両親は日本留学が決まった時に、日本は安全で清潔だと知っていたのでとても安心してくれましたし、レベルの高い教育を受けてレベルの高いところに就職できると喜んでくれました。日本についてはテレビニュースで知っていたことも少しありました。たとえばカンボジアでの日本政府の援助とか、民間のボランティア団体が40くらいあって、貧しい人々を助けたり色々な活動をしていることなどです。でも、日本に来て生活して日本人の友人を持ってみて、なぜ日本が発展してきたのかわかってきました。日本人の国民性がまじめで働き者だということです。それと奨学金のお陰で、初めて親のお金ではなく自分のお金で生きるという体験をして大人になったと思います。日本に留学してよかったと思っています。」



掲載日:2010年3月31日


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